中山道の旅

27:御嶽宿・伏見宿


御嶽宿・・・名鉄広見線/御嵩駅

伏見宿・・・名鉄広見線/明智駅


大黒屋・・御嵩宿・・伏見宿・・明智駅〜


  弱い雨は降り続いていた。大黒屋から伏見宿まで行き、そこからは電車を乗り継いで中央線の美乃坂本駅から歩いて中津川インターのバス停から高速バスで戻る予定だ。

 

 雨の中山道を下り、直ぐに(皇女和宮)の看板を発見、それには・・・ここに宿泊する予定が、数年前の1858年の火災で燃えて再建できず、さすがの彼女も我慢しきれないでここで用便をした。その後、ここを拝むようになった・・・とか。

 

 小さな細久手宿を過ぎると、「中山道」と刻まれた石碑が現れた。ここからまた峠だ。空は幾重にも重なった雨雲は消えそうにない。

 

 もちろん湿度は100%、息を吸い込むと肺の中に水が貯まるのでは、と心配になった。

木々が葉を落として、明るい道が現れる頃も歩きたいが、今は雨の道が霧に包まれ、静けさだけが味方した。

 

 雨と、急ぎ足の身体から出た汗で、下着は重くなり、身体にまとわりついたままだ。これは厳しい旅になる予感がした。

 また石畳の下り坂が始まった。ここにも様々な史跡があるらしいが、是非立ち寄りたい場所があった。

 

 皇女和宮現象だ。昨夜の夕食で美味しい日本酒を飲んでしまい、珍しい食事をたらふく頂き、おまけに直ぐ寝てしまった。その結果、消化不良による下痢になった模様で、この近くにトイレがあると、絵図に書いてあり、そばにキリシタンのマリア像があるとか。図面を頼りに坂を上り返し、逆の道を下ることにした。

 

 我慢の限界が来たが、目標地点は見つからない。人も居ないし、車も来ない、いっその事、側溝にでも。

 

 これが最後の牛の鼻欠け坂だ、暗い道を登った。濡れた石に腰掛け休むことにしたが、目の前に場違いな建物があった。ケーキの工場か、喫茶店だ。開店の時間だった。まるで別世界がそこに出現した。明るく、手入れされた広い庭があった。

 

 百合やバラが咲き、山小屋風の建物。なんでこんな場所でじっくりケーキとコーヒーを味わえるなんて。

2013/6/21



どこまでも続く濡れた石畳

津橋集落で土間一面の緑カビ?

 



次は何処の宿場へ