中山道の旅

33:垂井宿・関ヶ原宿


(昔話)・・川東の昔ばなし



関ヶ原宿・JR東海道線/関ヶ原駅


垂井宿・・関ヶ原宿・・関ヶ原駅〜高野山


  昨日到着した宿は手作りのログハウスであった。『今に沢山帰ってくる前に早めに風呂に入ってくれ。』指示通り、うかうかしてると夕食は抜きにされそうな勢いだ。

 

 夕食だ。大きな皿に赤身の肉が並んでいる。同じ大きさの鍋には昆布が入った汁が用意されていた。別皿に野菜のてんこ盛り、ざく切りの白菜にもやしが大げさに乗り、細いネギは申し訳程度だ。それとじっくり煮込んだ小魚の甘露煮とお新香、想像してた山小屋料理だ。

 

 鹿肉しゃぶしゃぶが始まった。臭いもなくあっさりした肉だ。ゴマだれがドスンと置かれた。

隣の人達は慣れた手つきで鍋に具材を放り込んでる。肉の色はピンク、イノシシ肉か。

 

『連泊していると料理が同じだと飽きるから気を遣っているよ。』と言われたが肉の種類を変えただけようだ。しかも、その肉はここの主人が撃ち取ったものだとか。

 

『何でも家内と二人でやってきた。バンガローも建てたし、新しい二階建ても二人で造った。』

『予約が増えて困るくらいだが、何とか要望に応えたいし、値段を上げないでやってるよ。』

『自分たちでやれば、失敗もあるけど、建設途中であそこはどうなってるのかと研究するよ。』

 

 駅で別れるまでエネルギッシュな話は続いた。スゲー夫婦だ。昨日の夕食材料はほとんどが自家製、もちろん小魚はその辺で泳いでいた物だったのか。

 

 今日は関ヶ原まで。午後からは四国巡礼のお礼参りに高野山へ向かう。やっと実現できる。

 

 垂井駅からおよそ5kmの道のりである。関ヶ原駅で東海道線に乗車すれば、3時頃に高野山へ行けるはずだ。

 

 緑の地色に細い黒線で馬の横顔の看板を見つけた。「この道は中山道」と書いてあった。

だが肝心の道が複雑に交差する場所にはその看板はない。街中だが人もいない場所だ。

2013/10/30



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