中山道の旅

36:高宮宿

高宮宿・・近江鉄道/高宮駅


〜鳥居本駅・・鳥居本宿・・高宮宿・・尼子駅〜


  昨夜から雨が降っていたようで、雪が心配になり夜中に幾度か窓を覗いてみた。

朝から冷たい雪交じりの雨が降っている。どうせなら雪になってくれれば、傘の必要は無いだろうが、雪は雨に混じる程度で、冷たい雨だ。

 

 こんな天気は中山道では初めて。今までは暑い夏か、栗拾いが出来た秋。桜が満開だった春。

雨の細久手宿の中山道は薄気味悪いほど静かで、誰にも会わない日が続いたが。

 

 高宮宿の中山道は江戸時代の4メートルほどの道幅では軽自動車はすれ違いがやっとで、しかも電柱があり、違法駐車の車ありで、渋滞してすれ違えるまでどちらかの車は待っている。雨のせいもあり、車は次々とやってくる。

 

 傘を指した我々は邪魔者であって、道路脇のどぶ板に足をのせて、軒下の僅かな空間に入り込んで、傘を斜めに構えて車が途切れるのを待って、それでも歩きを続けるしかない。

 

 長い時間が過ぎた気がしたが3kmも進んでいない。この状態では目的まで行く気が萎えてしまう。車が途絶える僅かな時間もあったが、雨宿りできる場所も無い。少し行けば喫茶店かお店があるかと、期待したが何にも見つからない。ただ車が飛ばしてきて、道路脇に逃げ込んでやり過ごすを繰り返すだけだ。

 

 それでも腹は減ってくる。寒さが堪える。

5km先が目的とした「愛知川宿」だが、まだこの状況が続きそうで中断することにした。

 

 街道から分かれて左の道に入った。田んぼ続き、新幹線が走る土手を発見、あの近くに駅はある。と確信して黙々と歩いた。

 今までの狭い中山道でなかった。立派な歩道があった。そこに近代的な尼子駅の駅舎が建っていた。暖房の効いたホームの待合室が嬉しかった。

 

 米原行きの車内は空いて、お尻が火傷しそうな椅子にへたり込んでしまった。まだ雨は続いていた。昨日買った冷たい握り飯は美味くはなかったが、空きっ腹に収まってくれた。

 

 こだま号が関ヶ原を通過すると、まぶしい日が差してきた。東京までズーと天気が続いた。

2013/12/21



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