奥州街道Ⅱの旅

16:一戸宿


一戸宿・・・いわて銀河鉄道/一戸駅

      一戸祭り(8月)

(昔話)・・山々の屁っぴり爺



<小鳥谷>


<一戸宿>


小繋駅・・小鳥谷・・一戸駅〜二戸駅・・二戸(泊)


 東北新幹線のいわて沼宮内駅を経由して、いわて銀河鉄道の小繋駅に向かうが、昼時になり乗り継ぎ時間を利用して駅近くのコンビニで弁当を買う予定が、時間が不足になり昼飯抜きを覚悟して、代わりにお土産屋を覗いて腹に入るものを物色しだすと店員から「下の売店でオニギリを売っていますよ。」と思わぬ情報を聞て急いで買い込んで待合室で食した。

 

 2005年にこの駅が舞台となった「待合室」映画のポスターがある小繋駅に到着した。

いよいよ一戸駅に向かうが途中のトンネルと珪化木地帯それにクマさんが気になる。

 

 ハルゼミの合唱に合わせて、ウグイスが美声を響かせている。

畑のおばちゃんに状況を聞くことができた。

「この先の笹目子トンネルを迂回する道があったけど崩れて通行止めですよ。クマが出たと放送されるけど見たことはないね。」

 

 トンネルの入口付近から登れる道はないが、トンネル内に土が積もった歩道があった。

自転車の跡と旅人の靴跡も残っている。轟音を響かせてトラックが通過した。

 

 出口の右側に「川底一里塚」の立札があり、草の道はトンネルの上に伸びているようだ。

この付近を通った人たちの多くは国道を進んで途中から高屋敷集落に入る道を行くが、自称登山家は急坂や狭い草道に思い出を求めて案内板のない左の小道に入り込んだ。

 

 クマよけの鈴を鳴らし、心地いい山登りを楽しめたらすぐに道標が左•川底一里塚、右•高屋敷を示す丁字路に出てしまった。

 

 舗装道路の坂道を登ると高屋敷の集落に入る。休めそうな東屋は(上の井戸)だった。

標高200mほどの場所に集落、東側のずっと下は川沿いに国道といわて銀河鉄道だ。

 

 集落を過ぎると歩きにくい砂利道の下り坂になる。

地図に(珪化木地帯)とあるので珪化木の並木を想像して木立に囲まれた道を進むと、タヌキに出会えた。

 

 明治天皇の石碑付近の小さな塊が珪化木だろうか、それともタヌキが化けた物か。

 

 小鳥谷(コズヤ)の町に入った。人がいない。

道路沿いに目立つのは、玄関と窓を白カーテンで閉ざした誰もいなくなった家だ。錆びついたトタン屋根は剥がれ柱は無残に倒れている。土壁は竹組みと泥がむき出しだ。

 

 町の中を国道が走っていた時は店は栄えて、ガソリンスタンドがあったのだろう。

バイパスに車が通り、高齢化と不要になった町は消えかけている。

 

 微かにエンジンの音がした。機械で薪を作っている老人がいた。斧で木を破る代わりに横向きに固定した丸太を割る代物だ。今後、高齢者に適した機械が現れるのが楽しみだ。

 

 カジカ蛙の涼しい声がしてきた道は細くなり、街道は登り道になった。

女鹿口(メガグチ)の小さな集落を過ぎると左に行く道があるようだが、近くの道路へ

出ることにした。

 

 一戸駅だ。コンビニの中が駅らしく外観から駅を見つけにくい。

階段の上り下りは痛くなった足にきついや。久しぶりの砂利道に降参したようだ。

二戸駅に移動して、短角牛の焼肉を食べるぞ。

2019/6/24


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