奥州街道の旅Ⅱ

12:盛岡宿


盛岡宿・・・JR東北線/盛岡駅

      盛岡さんさ踊り(8月)

(昔話)・盛岡市三ツ石神社



<相野々>


<盛岡宿>


盛岡駅〜三枚橋バス停・・盛岡宿・・盛岡駅〜


 予報通りの雨が昨夜から降り続いている。

ビニール傘は旅の友をしてくれて、車が巻き起こした飛沫や遮るものがない直線道路の向かい風吹き付けた雨に打ち勝ってくれた。

 

 朝食はパンとジュースだけの寂しい物で、昨日の夕食をしっかり食べたのでなんとかなるだろう。

セルフの朝食が無くなるのではと心配した結果、早起きになり予定よりも早いバスに乗れた。

 駅前で乗車した時は数人だけだったが、発車して数メートル動いたバス停で満員になり通勤客を市内に運び、昨日の停留所に到着した時は我らだけになった。

 

 40分間の乗車距離はこれから六時間ほど雨の中を歩く距離なのだ。

全行程の7割近くは国道歩きで車と平行に進むか反対車線を進むか、飽きたら変えてみよう。

 

 今までと違って坂がなく、なんの変化のない道でツクシもタンポポもなく、桜の花も見られない。

遠くに見える桜は北上川の土手だろうか。

 時々、住宅がポツンとあるだけで、あとは何も植えていない田んぼが続いた。

 

 (雨ニモマケズ 風ニモマケズ)の宮沢賢治の一節を実行中だ。 

それほど強くない雨は続いている。傘は横にして風除けがわりに使える便利なものだ。透明なビニール傘は前が見えて安全だ。飛沫をあげた大型トラックが来たら傘を握りしめるのだ。

小さな傘だが濡れない。

 

 バスの中で装着した登山用の防水ズボンは快適に過ごせる必需品で、以前、ビニールズボンを使ったら雨に濡れるよりも自分の汗で濡れた覚えがある。

 

 直線道路では歩きの目標地点を遠くの看板に定めたり、3つぐらい先の信号にしたがなかなか近づかない。

盛岡の街が近くになり、商店が現れてきた。

 

 昼飯時になった。交差点の周辺に飲食店があり、ファーストフードの店があった。

マックは食べ飽きたのでケンタッキーの店を選んだ。

 

 国道は右に曲がり、直線の街道をゆくと「仙北町駅」の看板。ここから30分行けば盛岡城である。

小さな駅舎。昼時は係員はいないようで出札窓口はシャッターで閉じていた。待合室のストーブがほんのりと暖かくしていた。

 

 東北線の盛岡駅が隣なのに一時間に上下で四本が停車する。静かな駅なのだろう。

長椅子に横になってボーとしていると駅舎の引き戸がガラガラと開いて、乗客が入って来た。

 

 もとはこの付近に盛岡駅を作る計画があったらしく、住民の反対で実現しなかったとか。

各地に鉄道を反対した結果、時代に取り残された場所が全国に存在しますね。

 

 雨の盛岡城に到着、昨年の同時期に到着した会津城も雨で緑の葉桜だった。

城内は桜は散り始めたが、雨に濡れて重くなった花びらはしっかりと付いて、観光客たちは足元を気にしながら名残桜を見ながら散策していた。

 

 盛岡城から駅まではアーケードで傘なしでも歩け、北上川の橋の手前から傘の世話になる。

盛岡駅前に歩道がなくて入り組んだ地下道路で、地上に出ないとわからなくなった。

 

 予定よりも早めに駅に到着したので、お土産屋を覗き込んだり、待合室の椅子でボーと過ごす。

新幹線は早い。盛岡の次は仙台、次は大宮だ。110分の短い旅になりバス旅と比較できない。

 大型連休の前日で車内は大きな荷物、立ち席の人もいるようだ。

2019/4/26


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