東海道の旅

11:トロロと安倍川餅


丸子宿・・JR東海道線/静岡駅

       しずてつバス/丸子営業所バス停

     丸子宿場まつりまつり(2月)

府中宿・・JR東海道線/静岡駅

     静岡まつり(3月)



岡部宿・・丸子宿・・安倍川・・府中宿・・草彅(泊)


 岡部宿の外れ、街道の脇に大旅籠柏屋が有り、歴史資料館として観光の目玉になっている。

 

 道の両側に山がせまり、国道1号線の歩道となった。宇津ノ谷トンネルを出入りする凄まじい車の音が響いている。国道を地下道で潜り、いよいよ峠登りの始まりになり、登山路のような道が続いている。

 

 程なく峠を抜けると、降り道が開けて、場違いな道路が現れた。小さな間の宿だ。降り坂の両側に旅籠が続き、木曽の馬籠宿を模して復元保存した宿場だろう。

 

 竹籠が展示されていて、ご主人に尋ねると「メジロ捕りの籠ですよ。」と想像通りの答を返した。

「時代は変わり、維持する人もいなくなってしまった。10年ほど前にこの一帯を復元する話が出て、道が良くなり、建物の外壁は板張りにするなど頑張ってきたが、客足は途絶えた切りだよ。」

 

 

 騒がしい国道から離れて、旧東海道だ。小さな流れに小さな水車が回っていた。

ゴミ屋敷かなと思われたお店は(日本の紅茶発祥の地)の看板があり、庭の奥で作業している。摘み取った茶葉を天日乾燥するのか、今にも雨が来そうで、空を見上げながらの作業だ。

 

 そろそろ昼時になり、あと1時間ほど頑張れば丸子(まりこ)の町になる。橋を越すと藁葺き屋根、(とろろ汁)のお店が現れた。有名な丁子屋だった。

 

 すり鉢に麦の入ったご飯が盛られ、すり下ろし立てのとろろを木のスプーンでたっぷりと掛け、すすり込むと味付きのとろろは口一杯に広がり、美味いぞ。

 

 500m程の安倍川を渡り、橋の近くで(湯に浸した安倍川餅)を食べて、江戸時代のとろろと安倍川餅に出会え、たっぷりと味わえた。

 

 街道はビルの谷間を直角に曲がる道になり、駿府城が近くにあるからだろう。

明日は雨の予報を信じて、一服したデパートで透明ビニール傘を購入して、それをツエ代わりに、あと5km先の草薙駅に歩み始めた。

 

 入口が狭く急坂の地下道に入ると車の警笛が響き渡った。こんな処を通るのか.きついカーブで、とても通れそうにない道だが、向かいからも車が下りてきた。僅かに広い場所ですれ違いだ。壁に身体を押しつけるとその脇を車がやっと通過していった。

 

 どうにか安全に出口に出たが、また恐怖の地下道に車は警笛を鳴らして入っていった。

地元の人は慣れているのだろう。

 

 日焼けした顔の一人旅だ。東海道ですか。と声をかけ30分間ばかり情報交換、メールアドレスをもらいに追いかけてきたようだ。

 

 草薙駅近くの宿は今日だけレストランは休みで、食事処を紹介され、桜エビのかき揚げと肥満のあじフライに厚切りの初がつおの刺身だった。海が近いと新鮮だな。

2016/5/15


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