〜畑宿バス停・・石畳・・芦ノ湖(泊)
電車は混んでいたが駅前広場はさらに混雑、ここで昼飯を食べるのは不可能だった。
さて、畑宿方面のバスは、と案内所で尋ねると「一番向こうで直ぐに出ますよ。」駆け足だ。
通路まで混んだ満員のバスは発車した。
重武装の登山姿では迷惑だろうな。
降る車とのすれ違いでバスはギリギリまで左によって停車して待った。
いくつかの急坂を進んで「上酢雲」で下車だ。通路の乗客がバスを下車して通路を開けてくれた。
やっとバスが出発した。乗客達が手をふっていた。こちらもバスが遠ざかるまで手を振り続けた。
みんな和やかな旅になるだろうなあ。
いよいよ、東海道の難所、箱根越えが始まりそうだ。
自動車道路はくねくねと七曲がりして登るが、旅人には階段が用意されていた。登っては、登る連続階段に悪戦苦闘する直前に一人の猛者が現れた。石畳の道をすたすたと平地を歩いているのか。早い。追い越された。急いで後を追いながら話しかける。
「二回目の東海道で、今日は小田原から箱根を越えて三島まで、夕方になるだろう。」30kmだ。
「五街道と北国街道などは全て歩いて、今度は四国ですね。」凄い勢いで行ってしまった。
また、階段だ、5m程登ると踊り場になり一休みして、また同じ登りが続いた。階段には手すりまで付いていて誰でも登れるのだが、キツい登りだ。街道一の難所はここだな。
息を整えながら一気に登らなければイヤになりそうな連続階段だ。
この階段は近年になってから付けられた物だろうが、江戸時代はどうしたのかな。おそらく左に右に折返しながら登ったのだろう。馬が登れた箱根山なのだ。
登り終えると(見晴らし茶屋)の甘酒が待っていた。
茅葺き屋根、ランプの明かり、煙の匂いが満ちている店内。甘酒をお目当ての観光客だ。甘酒と固めの餅を味わって、今度は石畳の坂を登る。
石畳は丸い石がびっちり敷き詰めてあり、先ほどの階段よりは自分の短い歩幅で登れる。道幅の広い石畳を甘酒をねらった数組のグループが降りてきた。
宿は何処だ。日が暮れ始める前には到着したい。
歩道を登ることになり、連れがブツブツと怒り出す。足が痛そうで首を左右に振って歩いている。
ペンションだ。温泉の匂いが廊下に充満。野菜の細切りを油に漬けて食べ、メインは鳥肉。
2016/3/13