東海道の旅

7:雨の箱根下り


(昔話集)・・むかし・ばなし



三島宿・・JR東海道線/三島駅

     三島大祭り(8月)



・・箱根関所跡・・箱根峠(846m)・・三島宿・・三島駅〜


 朝飯は果物づくしだった。

 隣の席の夫婦が「車で全国を巡ってます。歩きたいのですが。」と太り気味の奥さん。「これから三島まで歩いて下りるのですか。」

 

 ゴアテックスの上下、ザックカバーを着けて、下山用に用意したストック、雨に万全だ。

玄関に出て「前進」とかけ声掛けて雨の三島を目指して飛び出す。

 

 箱根の関所は無事に通過でき、いよいよ箱根峠への石畳の登りだ。登りは足元が見えるので楽に行ける。

国道に出ると(道の駅)の看板、トイレタイムにと一休みしていると雨はミゾレに変わった。

 この調子だと雪になりそうだ。

 

 峠はまだ上になり「これから先は歩道が無いので気を付けて。」と店員さんの声がした。

 峠に出たが複数の道路が交差していて何処を通れば街道に出られるだろ。

 

 バンザイ。複雑な道標に静岡県とあった。神奈川県とはお別れだ。雪は激しく降っていた。

 さあこれからだ。濡れた石畳を降るのだ。峠を下ると雨に変わり降っていた。

 

 丸い石が敷き詰めてあったり、平らな石を並べた街道もあるが、箱根山を登る東側では石の表面に苔がついて滑りやすそうだったが、三島に降る西側の石畳には苔が少なく安心して降れる。

 

 石畳の石は膨大な数だ。遠くから人力で運んで並べたのだろう。

石が敷かれる以前は竹が並べてあったらしく、その前は泥道で旅人を困らせただろうな。道幅が2m程の道に一面に石がずっと下まで続き、石の隙間に川が流れ渓流下りだ。

 

 足の筋肉を使うよりも石の表面を確認して歩を進めないと滑ってしまうので、目が疲れる。街道の両側は笹竹が密生している。

 

 民家が現れて降り坂は終わりだろうと思ったら、今度は舗装された急坂が現れた。

昔はここも石畳だっただろうが、つま先で歩くか、後ろ向きに下りるか、凄い急坂道だ。

 

 腹が減ってしまった。ドライブインらしいが店を覗くとゴミ屋敷だ。それでも誰かが食べてる。トラックを止めた運ちゃんが入ってきてケースからビールを取りだして飲み始めた。怖い。

 

 塩っぱいラーメーンをすすり腹が膨らんで、さあ雨の歩道を下る旅が再開になる。

観光用の吊り橋が現れた。少しガマンすれば美味しい昼食があっただろうな。三島までは半分の距離だ。

 

 東海道線の踏切を渡ると街道は平らになり安心して歩けたが、しかし三島の街は石畳を大切に残してあった。およそ1kmは松並木でそこにはデコボコの石畳が再現してあった。もういやだ。

 

 まだ雨は続いていて駅に着いたときは全身ずぶ濡れ状態だった。

ザックの中も水浸し、もちろん靴の中もだ。

2016/3/14


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