東海道の旅

8:人参パン


(昔話)・・仙人みかん



沼津宿・・JR東海道線/沼津駅

     沼津夏祭り(7月)



〜三島駅・・沼津宿・・東田子ノ浦駅〜沼津(泊)


 東京駅から三島駅まで新幹線を使うと2時間弱になるが、乗換時間を含めると到着時間に在来線と大差なくなり、少し早起きすれば浮かした新幹線料金で旨い物が食べられそうだ。

 

 東海街道歩きが始まり幾度か東海道本線を往復していると楽しい発車ベルに出合えた。

品川駅:鉄道唱歌−(汽笛一声新橋をーーー)お仕舞いに汽笛が「ぽー」と鳴りサア出発だ。

平塚駅:童謡−(笹の葉 さらさらーーー)七夕まつりで有名な平塚のコマーシャルソングだ。

小田原駅:童謡−(お猿の籠やだ ほいさっさ、ーーー小田原提灯ーー)ウキウキと発車になる。

 

 出発の数日前にテレビで三島のご当地グルメが紹介されていた。連続優勝の(ニンジンパン)だ。

駅から東海道に出て直ぐのパン屋さんだった。残りの2個を購入した。はたしてその味は如何だろう。チョコパンのように円錐形をして、ピンク色のパンが丁寧にラッピングしてある。中にニンジンが丸ごと入っているのかな。

 

 ギギー、バタン、ピンポン、ピーピー、バッスンと絶え間なく騒がしいファミレスでの昼食であった。

立て付けの悪い扉がギギー。閉まるときに勢いよくバタン。メニューを選んで店員呼び出しボタンを押すと店内に響くブザーがピンポン。注文の品が出来上がるとピーピーと知らせる。

 

 壁の向こうの調理場からガンガシャーと響いて、バッスンは保温ジャーの蓋を綴じたようだ。

ガヤガヤとした店なので話し声も高まり、お腹がふくれる前に脳内が騒音で一杯になってきた。

 

 駿河湾沿いの防潮堤は高さ17mあって、沼津から富士川までの20kmの長ーい道が続いてる。

皇居を4周する距離で海と松林の間を遮り、何処までも続く幅5mの平らなコンクリート道路だ。

左手は駿河湾、曇り空で暗い海だ。水平線に大きな船が確認できる。遙か先に煙突から白い煙を出している。富士の製紙工場のようだ。防潮堤はあそこまであるのか。

 

 (千本松原)と言われているが、実際は30万本以上有るらしく、ひょろひょろと細長松の木だ。海風でどの松も陸の方を向いて傾き、下草が茂って放置された場所では枯れている松もある。

 

 街道へ戻る途中に(白隠禅師)誕生のお寺だ。1686年生まれの名僧で(臨済宗)を復興させた。才能豊かな白隠さんは書家、画家、作家などあらゆる分野で優れた功績を残したのだ。

 

 宿のある沼津駅に到着、ホームが騒然としている。人身事故か。駅員がモップを持っている。

血だまりをぬぐい取るのだろうか。階段脇になにやら白い物が・・・。

 

暗い空に時折雷光がしている。雨が降り出した。

2016/3/28


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