奥州街道Ⅱの旅

28:三厩宿・厩石


三厩宿・・・津軽線/三厩駅

(伝説集)・・厩石(マヤイシ)



<高野崎>


<今別>


<三厩>


平舘・・台場〜山崎・・厩石〜奥津軽いまべつ駅〜


 いよいよ今日が奥州街道の終着点、厩石に到着する。そして長かった五街道の旅が全て終わる記念の日になる。そこで自分たちへの贈り物として地元の寿司を選んだ。寿司屋は5時に開店だ。

 マグロを食べて奥津軽いまべつ駅発のはやぶさで帰宅する予定だ。

 

 平舘から厩石まで27kmある。そこで二度目のジャンプをバスで飛ぶことにした。

旅館の近くにバス停があるようだが10時頃になるのでそれまで温泉に浸かっていられない。

 

 ジャンプ距離を縮めるにはバスが通る街道を北に進んで、後から来るバスに乗車すれば良い。

 

 民家の間から松が見えた。小ぶりな松が平舘漁港まで続き、その先で街道の両脇は太い黒松の並木に変わり、灯台があるところまで続いていた。

 そろそろバスが来る頃になり、道の駅でバスを待つことにしたが開店前で店内に入れない。

寒い風に耐えられないし、時間潰しに海岸に戻り、灯台周辺を散策すると付近は幕末時期に来た異国船から守る砲台の台場の後だった。

 

 街道脇のペンションで朝のコーヒーが飲めた。

「バスは来ますか。」と尋ねると「もうそろそろだね。そこの角で乗れますよ。バス停はないけどどこでも乗り降りできますよ。」

 「昨日だったか街道歩きのご夫婦が泊まっていて、今日は三厩泊まりと言ってたね。年に数人が松前街道を歩いているのかな。」

 

 バスが来た。手を振ると停車した。「元宇田バス停までお願いします。」

貸切状態のバスは海沿いの国道を走った。天気は良いし、このまま三厩まで行きたい気分だ。

 

 海に面した何もない元宇田バス停に到着した。「すぐに今別町のバスがきますよ。」

空き地の前は国道で、ガードレールがあり、その先は防波堤のない海だ。風で波頭が白い。

 

 今別町から来たバスから一人降りて、外ヶ浜町のバスに乗り換えていった。

「山崎バス停で降ります。お願いします。」二人だけを乗せたバスは国道を走った。

乗る人も降りる人もいない。かなりのスピードだ。いくつかの集落を抜けた。

 やがて上り坂になり海から離れた。国道は歩道もない狭い道になった。高野崎の看板だ。

袰月(ホロヅキ)の集落で乗車があった。 

 

 山崎のバス停に到着した。よし最後の街道歩きの開始だ。

集落を過ぎると下り坂になり海だ。防波堤だ。北海道が見えた。前方から冷たい風が吹いていた。

 左手に風力発電の風車が元気に回っている。そっぽを向いて休んでいるのもいる。

 

 海側に集落が現れて風を防いでくれた。今別の町だ。昼飯は暖かいソバにした。

今別の町を過ぎるとまた冷たい風が吹く海岸に出た。

 

 白い2本の柱。風車の羽根を利用した柱に(風の岬へようこそ)とあり、三厩駅への案内もある。

街道は国道と合流したが、県道になった街道に進んだ。寂しい三厩の町に入った。

 

 目前に工事車両が集まっている大きな岩だ。万歳、厩石(マヤイシ)だ。海側は広大な駐車場だ。

大岩に波で削られた二つの穴があり、その前の石碑に(松前街道終点の碑)とあった。

 ジャンプの飛びすぎで、予定した時刻よりも早く到着してしまった。

 

 さあ終わった。寿司を食べるには時間が早いから(みんまやよしつねの湯)で汗を流そうと。

分厚いマグロ寿司をゆっくりと味わえたぞ。「これで五街道の旅はおしまいだ。」

2019/10/17


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