奥州街道Ⅱの旅

24:野内宿


野内宿・・・青い森鉄道/野内駅

(伝説)・・浅虫温泉/裸島



<平内>


<浅虫温泉>


浅虫〜小湊駅・・野内駅〜


  天気予報では一日中雨が降るとの事で、明け方近くに強い雨音で起こされた。

朝には雨は上がり歩きには最適な日となりそうで、張り切って浅虫駅に着くと予定の電車は大雨のため大幅に遅れているとのことだ。小湊駅に行く別ルートを駅員に尋ねるとバスが道の駅からあるそうだ。

 発車時刻は不明との事で、ダメ元でバス停にゆくと発車寸前のバスがあった。

 

 予定時刻より30分遅れで小湊駅に到着できた。

浅虫水族館に寄る昼食のスケジュールをなくして、コンビニで弁当を買い、歩きながら食べよう。

 帰りの新幹線時刻に間に合わせたい。時計を気にしながら街道歩きが始まった。

 

 旧街道は4号線を越えるが、道標が不備で、迷うと時間が心配になり、4号線を進むことにした。

途中にコンビニがあったがまだ早い。次にコンビニあればオニギリを買うつもりで歩みを進めた。

 

 昼時になり車が集まっているコンビニだ。

オカズの作りたてを売る店だ。好みの物を選べる。出来立てのカツサンドと鳥の唐揚げを買うが、歩きながらでは食べにくい。近くにバス停小屋があり、椅子があり綺麗にしてある。

 

 夏泊半島に向かう交差点を過ぎたが坂道は続いた。登りきる手前で突然クラクションがした。バスだ。ちらっと見えた運転手は野球帽を着けている。

一昨日の運転手さんだ。手を大きく降って見送った。

 

 街道は国道を離れて左に下りる道になり、草で覆われた歩道を避けて車道歩きになる。

ミンミンゼニがあちこちで激しく鳴いていて、時々ギーと一本調子のエゾゼミの声がしてくる。

 

 海が見え出した坂の途中にバスが停車している。乗客待ちらしいが人影がない。近づくと野球帽が見えて先ほどクラクションを響かせた運転手が休んでいるようだ。

こちらに気がついてドアーを開けて「やはりあなた方でしたか。クラクションを鳴らしてすいません。」

「これから生徒の出迎えです。まさかこの道を来るとは思いませんでした。」

 

 浅虫の温泉街を通過すると街道は海沿いの4号線に合流して歩道歩きになった。

波のない陸奥湾だ。遠く津軽半島の山々に低く雲がたなびき、街道の終点はあの付近だろうか。

 

 急に雨が降ってきた。短いトンネルを抜けると止み、今度は暑い日差しが降ってきた。

 

 久栗坂で国道と別れた街道は集落を過ぎて、削られた岩山を巻きながら登り坂に変わった。

3日目の足は疲れて坂を登るのが辛いがあと一時間で野内駅に着くはずだ。わづかばかり下ると海側に巨大な球体が出現した。LPガスの貯蔵タンクらしい。

 

 また坂になった。気合いをかけて登り、ホッとして下るとまた登りになる。頑張るぞ。

時間が迫って来ていた。17時に野内駅に着けるだろうか。

 

 道端の石に腰掛けて足を休めた。暑さで疲れが倍増していた。この石が動いて駅まで運んでくれないかなあ。と願う時だ。

 

 青い森鉄道のガードをくぐればあと1kmになる。この辺りに昔の野内駅があったようだ。野内関所跡と名残の松が街道の姿を残す野内宿だ。

 

 予定時刻に駅前に到着できた。5分後に来たバスは新青森駅まで運んでくれた。

電車でも行けるが乗り継ぎで階段の上り下りがあると歩いた後で、もう無理ですね。

2019/8/23


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