奥州街道Ⅱの旅

27:平舘宿


蟹田・・・津軽線/蟹田駅

平舘宿・・外ヶ浜町バス/

       平舘支所前バス停



<蟹田>


<平舘>


青森駅〜蟹田駅・・不老不死温泉(泊)


 昨日は蟹田駅を目指したが、本物のねぶたを見学したいので、途中の郷沢駅で引き帰えした。

郷沢駅から今晩の不老ふ死温泉までは22kmで、歩けるが3日目はズルをして蟹田駅までを津軽線でジャンプした。

 

 津軽線は蟹田から山間に入り三厩まで、津軽半島の海岸沿いは外ヶ浜町と今別町のバスになる。

 

 青森駅は昨日と同じ学生の乗車があった。

30分で蟹田駅だ。ダジャレなのか(ウェル蟹)の看板を掲げたお店だ。

 春先にトゲクリガニという毛ガニに似たおいしいカニがこの付近の陸奥湾で獲れるようだ。

コンビニで昼飯の大きなキチンカツサンドを買ったが全部食べられそうもない姿だ。

 

 街道は国道の側溝蓋が続いたが川を越すといつもの歩道に変わった。

また、橋のたもとに小さな小屋があってガラス扉があり、花とお線香立てで祀られて、着物を羽織る平たい石仏が二体、海を見守っているようだ。

 

 左側は丘になり、右下に海が広がっていた。小さな港に守られたホタテ小屋だ。

街道は海から離れて住宅が並ぶ山側にでて、国道は下になり、その下が海になった。

 

 狭い街道で立ち話を終えた老婆がいた「お元気ですね。」と声をかけると「いつも大声で話して、そこの家に帰るんだ。」と坂道から階段が続く家を指差した。「1日に7回は街道に出るんだよ。」

「ジーさんは息をしてるから生きてるよ。ホタテ作業は皆んなが反対してね。」と残念そうだ。

 

 坂道に入ると軽トラックが停まっていてこんな人気のない場所だと追い剝ぎか、さもなければ売れ残りのホタテを高く売りつけられるか、心配になった。屈強そうな運転手だ。

窓が開いて「この先の木にスズメバチの巣があるので気をつけて。」の声がした。

 何者だろう。あたりに気を配り坂道をゆくと先ほどの軽トラがまた停まっている。「そこの木ですよ。」

スズメバチの大きな巣がブラさっがていたがハチの気配はしないようだ。

 軽トラはバックして坂道を下っていた。あれは何者だ。旅人を監視して注意するお役人だったのか。

 

 集会場の広場だ。トイレがあるかもしれない、と入り込んだが鍵が閉められている。

街道沿いに小屋があり、椅子を見つけた。早速巨大なチキンサンドに食らいついたが残してしまう。

 

 ガソリンスタンドのトイレを借りられてホッと安心。「不老不死温泉まで歩くのですか。あと6kmは

あるかな。」「車なら5分ぐらいでしょうか。」「そんなものかな。普段出かけないからなあ。」

 「あの網は何に使うんですか。」「網は十段ぐらいに分かれていて、それぞれに5センチほどの貝を入れて育てるんだ。半年から3年で大きく育つんだけど、年に何回も網を引き出して、付着物を掃除するんだ。大変な仕事さ。」

 

 街道は再び国道から分かれて右の道になった。海は右側で港に守られたホタテ小屋がある。

下北半島が近くになると平舘海峡の海流が激しく、この先はホタテ漁には向かないのだろうか。海岸線に出られる道に入った。

 あたりは松林で海に降りられる階段状の渚が作られ、バーベーキューをやった後なのか、ホタテの貝殻が散らかっていた。

 

 早めに不老不死温泉に到着、室に潜んでいるカメムシ達を捕捉して、温泉に浸かって、さあ昼寝だ。

2019/10/16


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