奥州街道Ⅱの旅

22:野辺地宿


野辺地宿・・・青い森鉄道/野辺地駅

       のへじ祇園祭(8月)

(昔話)・・化け物問答

      



<野辺地宿>


七戸十和田駅・・野辺地宿〜浅虫温泉(泊)


 稲穂が実り、収穫の秋がそこまでやって来ているのだ。美しい山容の岩手富士は頂上を雲に隠してこっそりと雪の準備を始めているのだろうか。

 

 ガラーンとした七戸十和田の駅を離れ、北に向かう国道4号線に出ると松並木と広い歩道が出迎えてくれた。沿線は森に囲まれて看板もなくてどこか外国の道を歩いている気分だが、黒御影石の立派な「奥州街道」の道標と街道図の看板が青森県営農大学の入口前にあった。

 

 歩道が狭くなり坂道を下り中野川を渡ると待望のコンビニだ。

昼飯のオニギリを買うつもりがこの先にもコンビニがあるとの情報を得た。そこで食事ができるイートインがあるか確かめるとありそうな答えがあり、ちょうど昼頃に着く7km先を目指した。

 

 車の音が全身に染み込んだ歩道歩きは続いた。

坪川を渡りを左に入る道が奥州街道だが、コンビニは国道にあるだろうと歩道を直進した。

 緩い上り坂になり、林の間にコンビニの看板が見えた。

 

 奥州街道に戻るにはコンビニ前を左に入る(みちのく有料入口)を行くことになるが人も有料かな。

森に囲まれた十字路を右に進んだ。時折車が来るのでクマさんはいないだろうな。

 

 小さな集落に迷い込んでしまった。舗装道路を歩けば国道に出られるだろうと歩き始めると、車がやって来た。道を尋ねたがよそ者で迷っているらしい。

 

 いつものように勇気を出して砂利道を進めばその先に(日本中央の碑)があったのだ。残念なり。

 

 街道は森の縁を行く道になるようだが、草原を挟んで舗装道路の県道がありそれを選んだ。

道端に秋を呼ぶ黄色の(オオハンゴンソウ)と足元に青色の(ツユクサ)が沢山咲いている。

 

 草原が消えて森が県道とつながる場所にでた。旧道に入る道が森の中に続いて砂利で整備され、遠くに石碑らしい物があった。墓石だった。道は墓参りの用かも。

 

 国道歩きになったが歩道は続かないで、真横をかすめて通る車と白線を信じて歩くしかない。

 

 野辺地の町に入る脇道で車は少なくなる。

子犬に引っ張られながら散歩している人がやって来た。

「この付近の雪は2メートルは積もったが、今は温暖化で半分ぐらいだ。その分寒くなったね。」

 

 交差点を左に入り小さな橋を越した正面が野辺地の駅だ。予定より早い時刻に到着した。

数台のタクシーが客待ちをしている様子だ。浅虫温泉行きのバスがすでに止まっていた。

 

 野辺地から浅虫温泉まで青い森鉄道だとバス運賃の3倍になるが、夕方1便だけの運行である。

バスの発車時刻になるが、乗客がいないのか、バスの運転手がいないのか。発車の様子がない。バスの運転席を覗くと野球帽を被った人が休んでいる。運転手なら制帽を被っているはずだ。

 バスのドアーを叩くいて「浅虫温泉行きですか。」と尋ねると「あー行くよ。」

 

 「今日は霧雨で濡れましたよ。」「今の時期をジルケルと言うんだ。浅虫温泉側は晴れてるよ。」

「野辺地の宿がいっぱいで浅虫まで行きます。」「野辺地の祭りがあるからかな。」

 

 バスは4号線を進んでいた。明日と明後日に歩く道なので沿線の状況を見続けた。

「この川が南部藩と津軽藩の境目ですよ。」と観光バスのような説明、次に浅虫温泉に近い峠では「4号線を行くと岩木山が綺麗に見えるところがあるよ。」50分間のバス旅だった。

2019/8/21


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